HOME > トレーニング用語集 > 運動・スポーツにおけるウォーミングアップとは
2011年11月20日
運動・スポーツにおいては、トレーニングや試合の前に心身の最適な状態を作り出すための運動です。
ウォームアップと同義語です。
以下の4つの効果があります。
・身体諸器官の全般的な準備状態の改善。
・運動協調(コーディネーション)の準備状態の改善。
・心理的準備状態の最適化。
・傷害の予防
身体運動を伴う能動的ウォーミングアップは、一般的なウォーミングアップ(体操やランニング、ストレッチングなど)と、主運動と関連の深い動きを取り入れた専門的ウォーミングアップとに分けられます。
ウォーミングアップの方法は、ホットシャワーやマッサージなどの受動的なものではなく、積極的に体を動かす能動的な運動が望まれます。
最近ではプレクーリングと呼ばれる運動前の身体冷却などによる受動的ウォーミングアップや、マッサージやシャワーのほか、メンタルリハーサルなどの心理的ウォーミングアップもあります。
そして専門種目のスポーツに要求される特異的な動作特性に依存し、専門種目や健康づくり運動と関連した運動が好ましいです。
ウォーミングアップ(warming up)によって得られる生理的機能の変化には、筋温上昇による動作の円滑化、心拍数増加による酸素摂取量の増加、神経系の反応の改善、関節可動域の増大などが上げられます。
筋肉の温度(筋温)の上昇は筋の酵素活性を高めますので、準備運動により筋温が1度上昇すると、細胞の代謝率は約13%増加します。
また、体温の上昇は酸素解離曲線を右方に移行させ、酸素がヘモグロビンから解離されやすくなります。
つまり循環系の機能改善もあって、最大運動時の酸素摂取水準を高め、最大下運動においては機械的効率が改善されます。
筋温の上昇は筋組織の粘性を低下させ、筋の収縮あるいは出力特性を高め、より大きな筋パワーの発揮に貢献します。
さらに、神経線維の伝導速度は約40℃くらいまでは温度が高いほど大きくなります。
ウォーミングアップは運動・スポーツを行う前に体温を高めることが目的であり、
スポーツ選手のパフォーマンスの向上や一般人の健康づくり運動における傷害予防も期待されます。
ただ実際のところウォーミングアップによる運動中の傷害(筋や腱の断裂、捻挫、関節障害など)予防は実験的に証明されていません。
しかし、ウォーミングアップによる筋温の上昇に伴い筋力発揮が素早くなり、筋の弾性の高まりなどは、筋の傷害予防にとって意味のある生理的変化であると解釈されています。
特に寒冷時の血管の拡張は血圧上昇を防ぎ、血管系の傷害を予防します。
ウォーミングアップは中枢神経系の興奮性および運動刺激に対する神経・筋系の反応性を高め、光および音刺激に対する反応時間を短縮させます。
筋の主観的な硬さの消失、粘性や弾性などの物理的性状の変化、拮抗筋の緊張度の低下、関節の可動域の拡大などは、柔軟性の向上などの多くの効果をもたらします。
さらに運動中のオーバーヒートに対する発汗開始時点の早期化現象も、ウォーミングアップの特徴的な効果の1つとしてあげられます。
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