HOME > トレーニング用語集 > ミドルパワートレーニング【middle power training】
2011年11月20日
ミドルパワーとは、30秒〜3分間にわたって継続できる運動において要求されるパワーです。
陸上競技の400m、800m、水泳競技では100m、200mなどがこれにあたります。
ミドルパワー発揮能力には、単に高いピーク値を発揮することよりも、パワーを持続することが要求されます。
つまり、ミドルパワートレーニングとは、30秒から3分間にわたって継続される運動においてパワーの持続力を養成するトレーニングのことです。
ミドルパワー発揮におけるエネルギーの供給機構には、ATP-PCr系、乳酸性が最大限に動員され、さらに有酸素系も関与します。
その割合は運動継続時間によって異なります。
約30秒から1分30秒までの運動ではATP-PCr系および乳酸系によるエネルギー供給の割合が高く、1分30秒から3分までの運動では乳酸系および有酸素系によるエネルギー供給の割合が高いとされます。
つまり、ミドルパワーの運動成績は、その人の無酸素性エネルギー供給能力で決まるといっても過言ではないでしょう。
したがって、ミドルパワートレーニングでは、酸素の供給が不十分な状態で運動を行うことが要求されます。
具体的な方法として、乳酸が最大に作られるような2~3分で疲労困憊に至る運動(陸上では800~1000m走、競泳では200m泳など)を用いて、レペティショントレーニングを行ったり、高強度短時間運動を不完全回復の状態を挟みながら繰り返すインターバルトレーニングなどが効果的です。
このようなトレーニングでは、筋の緩衝能力(乳酸の蓄積に伴って筋肉のpHが低下することを防ぐ作用)が向上するので、筋疲労を遅延させることができるようになります。
また、無酸素性エネルギー供給量は活動筋量と関係が深いので、このような種目においても主働筋群の筋量を増大させるウエイトトレーニングが有効となります。
さらにミドルパワーの運動では、有酸素性エネルギー供給系の貢献度も少なくありません。
1分の運動では50%が、3分の運動では70%ものエネルギーが有酸素性に供給されますので、最大酸素摂取量を高めるような有酸素性トレーニング、つまり呼吸循環器機能が最大限に動員されるようなトレーニングも忘れてはなりません。
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