サ行 - 王道パーソナルトレーナー藤原豊樹

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協働筋とは【synergist muscle】

2011年08月24日 [記事URL]

関節は複数の骨格筋がまたいでいることが多く関節運動(関節の回転)は、これらの筋群の収縮によって行われています。

関節の特定の動きに対して、同様の機能をもつこれらの筋群を協働筋(共働筋)と呼びます。

肘関節の屈筋運動で例えると、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋の3筋が主として肘関節屈曲に働くため、これらは肘関節屈曲の協働筋です。

協働筋のうち、関節トルクに最も大きく貢献する骨格筋を主働筋と呼び、肘関節屈筋群の場合、上腕二頭筋が主働筋です。

また、関節を反対方向に回転させる筋群は拮抗筋と呼ばれ、肘関節の場合、上腕三頭筋が肘関節屈筋群の拮抗筋となります。

これらの協働筋と拮抗筋によって関節運動というものは行われているのです。



最大酸素摂取量

2011年08月23日 [記事URL]

最大酸素摂取量(maximal oxygen uptake:VO2max)とは、有酸素エネルギーを作り出せる最大値です。

酸素摂取量は運動強度の増大に伴って直線的に増加します。
しかしながら、どこまでも増加し続けるわけではなく、やがて運動強度が増大しても酸素摂取量は増加しなくなります。

この酸素摂取量の最大値を最大酸素摂取量と名付けたのは、1922年のノーベル医学・生理学賞受賞者のヒル(A.V. Hill)です。

有酸素性作業能の指標として広く用いられており、絶対値(ℓ/分)と相対値(mℓ/kg/分)で表される。

絶対値は組織量の多い(身体の大きい)人ほど大きくなるので、個人間の比較では体重で除した相対値を用いることが多い。

一般成人では男性50mℓ/kg/分、女性40mℓ/kg/分程度であるが、マラソンなどの全身持久系競技者では、70-85mℓ/kg/分にも達する。



全身持久力トレーニング【general endurance】

2011年08月23日 [記事URL]

持久性トレーニングは、
ある一定強度の運動を持続する能力を向上させることです。

その方法には、
ある運動を長く続けるために、
一部の筋が働く場合の筋持久力と、
多くの筋が同時に働く場合の全身持久力の大きく2つに分けられます。

後者は有酸素性エネルギー供給機構が重要な役割を果たしており、
呼吸循環器系および筋代謝系が深く関与します。

一般的に持久性トレーニングといえば、
全身持久力を向上させるためのトレーニングを指すことが多く、
ここでは全身持久力のトレーニングについて述べます。

全身持久力トレーニングは、
活動筋の酸素摂取能を向上させることが目的です。

酸素摂取能力は酸素運搬能力と酸素利用能力によって決まります。

持久力トレーニングの酸素運搬能力への効果としては肺換気量、
心拍出量および活動筋への血流量の増加があげられます。

また呼吸筋に対しても刺激を与えることから、
肺換気量が増加し、酸素を含んだ大気を大量に取り込めるようになります。

さらに、
心筋の機能向上や左心室内径の増大により一回拍出量が増加します。

活動筋の毛細血管数(毛細血管密度)が増し、
活動筋への血流量が増加する一方、
酸素利用能力への効果は、
コハク酸脱水素酵素(SDH)などの筋の酸化酵素活性の向上や、
エネルギー産生部位であるミトコンドリアの数の増加による有酸素的代謝の促進などがあげられます。

また、
前述した毛細血管数の増加は、
末梢血管の総面積を増加させることになり、
活動筋への酸素の拡散量が増大しますので、
筋での酸素の抜き取りを容易にすることになります。

さらに毛細血管数の増加は、
筋での代謝産物の除去や熱の移動(身体の深部から表面へ)にも貢献し、
運動の持続を助けることにもなります。

持久力トレーニングによって酸素性作業闘値(AT)も向上し、
最大酸素摂取量が変化しなくても、
ATの向上により持久的なパフォーマンスが高まります。



運動における柔軟性とは【flexibility】

2011年08月23日 [記事URL]

柔軟性とは、与えられた運動課題に対し、適切な関節可動範囲で効率よく運動を行うことのできる能力を意味しています。

一般的には、体の柔らかさを表すことが多い言葉として用いられています。

したがって柔軟性の欠如は、傷害の発生や疲労の蓄積といった身体運動に関わる問題を引き起こしやすくなります。

柔軟性に関わる今日までの研究では、その能力を制限する因子の発見と可動域を高める効果的な方法のあり方に焦点が当てられてきています。

研究報告では、ウォーミングアップ等による体温の上昇が、関節周りの組織の受動的な柔軟性を向上させ、関節可動域を増加させること。
また麻酔が関節可動域を向上させること、神経入力がない場合、筋腱複合体の伸張に対する抵抗力が低下することなどが示されています。

これらから柔軟性制限の主要な部分が体温の上昇や筋をリラックスさせることができるかどうかにかかっていることを示しています。

そのため柔軟性のトレーニングでは、体温を適切に上昇させ、リラックスした中で筋や腱、靭帯、関節包、皮膚等の組織を適切に伸張させるストレッチングが主要な内容として取り上げられてきています。

しかし、数週間にわたる柔軟性トレーニングでは、筋とその関連組織の受動的なスティフネス(stiffness)を一時的に低下させられても、その効果はトレーニング終了後に消失してしまいます。

一方、長期にわたるストレッチング運動を行っているヨガ修行者等の場合は、明らかにその柔軟性が向上します。

このことは関節間あるいは個人間に見られる柔軟性の違いが、長期間にわたる適応の産物であり、柔軟性の向上には長期にわたるトレーニングが不可欠であることを示しています。

このような問題はトレーニングプログラムを考案する時にも関係します。

例えば、最大筋力増加のため、筋量のみを増加させようとすれば、その柔軟性のレベルは低下してしまいます。

これは過度の筋肥大による腱への力の伝達効率の低下と同様に、筋腱複合体が伸張された時、その伸張方向への筋の伸張が低下するためと考えられています。

したがって柔軟性の維持・向上を目的とした柔軟性のトレーニングにおいては、他のトレーニング要素と並行して行うべきでしょう。

日常動作を円滑に行うためには、力強さに加えて全身の柔らかさが備わっていることも必要です。

特に、大腿後部の筋肉や腓腹筋(下腿後部の筋肉)、腰背部、肩関節が硬いと、日常生活のさまざまな局面において円滑な動作に支障をきたしてしまいます。

高齢者にとって、股関節や膝における関節可動域の低下は、転倒の危険性を増大してしまうために注意が必要です。

柔軟性の測定項目として、長座体前屈(ハムストリングス・腰・背中・肩関節の柔軟性)や肩関節可動域(肩関節の柔軟性体力)などがあげられます。

高齢者が自立した生活を営むための推奨下限値は、男女とも長座位体前屈がマイナス5㎝(足の指先近くまで手が届く)、肩関節可動域では5㎝以上と考えられています。



スーパーセット【super set】

2011年08月23日 [記事URL]

 異なる2つの種目を合わせて1セットとし、種目間は休息を摂らずに行うトレーニング方法です。

単位時間あたりに挙上する重量が大きくなるために、通常のセット法よりも時間的効率が高く、身体に対する負荷が大きくなります。

組み合わせる種目については2つの相対する筋、すなわち主働筋と拮抗筋にそれぞれ刺激を与える種目を選択するのが通常です。

例えば、1種目で肘関節屈曲の主働筋である上腕二頭筋に刺激を与え、2種目目にその拮抗筋である上腕三頭筋に刺激を加えるような種目を組み合わせます。

1種目で刺激を受けた筋は、次の種目で他動的に伸張−短縮させられるため、ミルキングアクション(血液を循環させるための筋肉の収縮によるポンプ作用)による疲労物質の除去効果が得られ、疲労状態からの回復が促進されます。

また、同一筋群へ刺激を与える種目を組み合わせて行う方法もありますが、疲労により挙上する重量は軽くなるため、最大筋力向上を目的としたトレーニングには適しません。



伸張性筋活動【eccentric muscle action】

2011年08月23日 [記事URL]

 筋の活動様式は、等尺性(アイソメトリック;isometric)、短縮性(コンセントリック;concentric)、伸張性 (エクセントリック;eccentric) に大別されます。

筋の発揮張力(F)と筋にかかる負荷(L)との関係は、等尺性ではF=L、短縮性ではF>L、伸張性ではF<Lとなります。
運動やスポーツ動作の多くには、これら3つの活動様式がすべて含まれています。

伸張性筋活動の典型的な例は、最大筋力よりも大きな負荷で筋が強制的に伸張される場合ですが、ダンベルをゆっくりと下ろす動作のように、意識的に筋力発揮レベルを負荷よりも小さくして筋を伸張する場合や、衝撃を吸収するために無意識的に筋を伸張させる場合のように、最大筋力の発揮を伴わない伸張性筋活動は日常生活でも多くみられます。

伸張性筋活動の特徴は、短縮性、等尺性筋活動に比べて大きな張力発揮が可能となります。
張力の発揮に関与する筋線維の数(運動単位)が少ないため、1本の筋線維当たりに対する負荷が大きく、筋損傷が生じやすくなります。



生理的限界【physiological limit】

2011年08月23日 [記事URL]

 筋線維が収縮により発揮することができる張力は、筋線維の断面積に比例します。
多くの筋線維の集合体である筋の張力(筋力)は、筋の生理学的断面積(並行する筋線維の断面積総和)に比例することになります。

そして、筋の生理学的断面積に相当する筋力を生理的限界と呼ばれています。

つまり、すべての筋線維が収縮に参加した場合の筋力です。

それに対して随意収縮では、収縮に参加する筋線維の割合が大脳の興奮水準により決定されることから、随意最大努力下で発揮される筋力を心理的限界と呼びます。

一般に生理的限界を測定することはできませんが、電気刺激などの方法を利用することにより推定できます。

一方、生理学的断面積を測定し、固有筋力との積から筋力発揮の生理的限界を推定することも可能です。



心理的限界【psychological limit】

2011年08月23日 [記事URL]

 随意最大努力で筋力を発揮する場合には、脳から筋への神経刺激の程度により筋力が変動します。

一般に、随意最大努力下においても、意図する筋のすべての筋線維を収縮させることができないようことが明らかにされています。

つまり、随意最大努力では筋の所有する潜在能力のすべてを発揮できません。
随意最大努力で発揮できる筋力のことを心理的限界と呼びます。

この場合、収縮に参加させることができる筋線維の割合は、大脳の興奮水準により左右されることから、随意最大努力により発揮される筋力は心理的限界により変動するといわれています。

「シャウト(叫び声をあげる)」や「気合い」により最大筋力の向上が生じますが、この現象は心理的限界が高まることにより、筋への神経刺激が増し、活動する筋線維が増加するためであるといわれています。

電気刺激などによりすべての筋線維を収縮することができれば、筋が所有する能力の100%を測定することができます。

これを「生理的限界」と呼びます。



最大挙上重量

2011年08月23日 [記事URL]

最大挙上重量とは、
1回しか行うことができない負荷(重量)のことです。

筋力トレーニングを行う際には、
最大反復回数【RM:repetition maximum】という単位を用います。

たとえば1RMとは1回しか挙上できない重量であり(1回挙上重量)、
15RMとは最大で15回挙上できる重量となります。

RM法は個人ごとの負荷重量を表す方法の1つですが、
同じく個人ごとの負荷重量を表す方法にパーセント(%)法があります。

100%=1回
95%=2回
93%=3回
90%=4回
87%=5回
85%=6回
80%=8回
77%=9回
75%=10回
70%=12回
67%=15回
65%=18回
60%=20回
60%以下=20回以上

RM法とパーセント法の値には対応関係があり、
発揮可能な出力の最大値を100%とすると、
おおよそ95%は2RM、90%は4RM、80%は8RM、75%は10RMに相当します。

1回反復できる重さ100%1RMを割り出すことが難しい時は、
例えば8回反復できる重さは80%8RMに相当するので、
その4分の5の方が100%1RMということになります。

最大挙上重量の異なるトレーニング実践者同士のトレーニング負荷を比較する際には、絶対値としての負荷重量ではなく、RM法およびパーセント法などの相対値を用いて比較する必要があります。



スポーツカウンセリング【sports counseling】

2011年08月23日 [記事URL]

 スポーツカウンセリングとは、「競技場面に関わるすべての人々を対象とする心理臨床行為」と考えられています。

競技力向上に関わる間題、競技遂行上の問題、神経症、身体的問題、あるいは全人格的成長や引退の間題など、さまざまな問題や悩みを抱える競技者に対する心理アセスメント、そしてカウンセリングや心理療法がその主たるものです。

競技者は競技に打ち込めば打ち込むほど、あるいは競技レベルが上がれば上がるほど、全人格を賭けて競技に関わることが多くなります。

そのため、彼らは通常ならば隠されている心理的問題が表面化しやすい状況にいることになります。

また、身体を動かすことは通常よりも心理的問題が顕在化しやすい状況と考えられます。
したがって、競技者は通常のカウンセリングよりも深い問題を顕在化させやすくなります。

したがって、スポーツカウンセリングでは一般のカウンセリングよりも注意深い配慮が必要です。




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